事業再生・破産等の法的整理

裁判所を用いて債務を大幅にカットして利益が上がるコア事業を継続する方法や、
やむなく事業を廃止する際の方法を解説します。


これまでに延べてきた資金調達や資金繰り、労務関係のリストラや取引先との調整を経てもなお事業継続が困難という場合には、法的整理を検討することになります。

1. 事業再生(民事再生・会社更生)

  1. 事業再生とは、民事再生法(会社規模等によっては会社更生法)を用い、債務を大幅に圧縮し、かつその支払を長期にわたって繰延べを行うことで、会社再建を目指す法的手続です。中小企業を中心とした多くのケースでは、従来の経営陣が続投して経営再建を目指すことになります(DIP型事業再生)。
  2. 今回の新型コロナウィルス問題で一時的に資金繰りに窮することになったものの、今後も継続的に利益を上げられる見込みがあれば、事業再生は検討に値します。民事再生手続の申し立てにより、債務の支払は一時的にストップすることになり手元資金に余裕が生まれます。その後、認可された再生計画に従って、従前の債務を大幅にカットした上で、定められた10年以内の支払計画に従い弁済していくことになります。どの程度債務がカットされるかはケースバイケースですが、時には債務額の9割以上が免除される(弁済率数%)という場合もあります。
  3. 再生計画が認可されるためには、債権者の頭数及び債権額の過半数の同意が必要であることから、債権者の理解を得ながら進めていく必要があります。また、たとえ債務をカットしても支払う原資を確保できなければ弁済は不可能ですので、収支が黒字であること(申立に前後して各種リストラを断行することで黒字に転ずることができること)又はスポンサーによる出資が見込めることが前提となります。企業により適否がありますので、弁護士等の専門家までご相談ください。

2. 廃業(破産・特別清算・通常清算)

  1. 債務をカットしても資金繰りが改善する見通しが立たない場合や、債権者の同意が得られる見込みが無い場合など、事業再生が適さない企業については、廃業を検討することになります。
  2. 債務超過に陥っている企業の廃業には、基本的には「破産」を選択することになりますが、廃業と弁済率について債権者全員の同意が得られるような例外的な場合には「特別清算」を選択することもあります。また、債務超過ではないものの収益改善の見込みがなく自主廃業するという場合には、「通常清算」を選択します。
  3. これらのうち、破産と特別清算については裁判所の関与のもとで進める法的整理であり、通常清算は裁判所の関与なく進める法的手続です。いずれの廃業手続においても、会社の資産を処分し、債権者への弁済を行った後(通常清算の場合には残余財産の株主への分配を経て)、最終的には会社が消滅することになります。
  4. 今回の新型コロナウィルス問題に関連して廃業せざるを得ない場合であっても、可能な限り関係者への影響を少なく進めることは可能ですので、弁護士等の専門家までご相談ください。
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