Question

資産家やそのファミリーには、法教育や法務版人間ドックがおすすめということですが、それぞれどのようなものでしょうか。

Answer

資産家ファミリー向けの「法教育」とは、ファミリーの自発的なリスク管理力を高め、各自の自覚に基づいた柔軟で強固なリスク管理を可能にするための学習プログラムです。トップ主導での規律の難しい身分行為リスクについて特に効果があります。
「法務版人間ドック」とは、トップのための法務リスク精査です。自分に起こりうるリスクを知ることでそもそも問題を回避することも可能になります。いわば人間ドックの法務版のようなイメージです。

資産家ファミリー向けの「法教育プログラム」とは

法教育プログラムとは、主としてファミリーの利益に反する身分行為の防止、これによる子孫の保護を目的とし、将来生じうる事象とその備えをあらかじめファミリーにインプットし、転ばぬ先の杖を持ってもらう取り組みです。

リスクに対して自ら適切な行動を取れることはとても重要です。
トップ主導で行う諸手続きでの対応に限界があり、本人が意識的に対応しなければ実効性が半減しかねない事項について、特に意義があります。
例えば身分行為です。離婚に伴う財産分与が与える影響は時にとても大きなものとなりますが、いざ交際相手との結婚を具体的に考えるに至っているファミリーにそうなった時点で、リスクの大きさ、慎重になってほしいことや婚前契約の必要性を伝えても、「離婚などしない」「するとしても問題になるような相手ではない」などとして聞き入れてもらえないといった事態が起こりえます。

法教育プログラムを実施することで、ファミリー各自の自覚に基づいた柔軟で強固なリスク管理が可能となります。

資産家トップのための「法務版人間ドック」とは

法教育プログラムは、ファミリーのメンバー、特に子孫や後継者候補向けのものです。その趣旨は上記のとおりですが、この趣旨はトップにとっても重要です。築き上げたものが大きいほど、問題発生時のインパクトも大きくなってしまいます。

病気と同じで、早期発見と治療が何より大事です。そして自分に起こりうるリスクを知ることでそもそも問題を回避することも可能になります。
いわば人間ドックの法務版のイメージです。

主要なリスクの有無やその対策案程度であれば数時間程度で特定できてしまうものですが、その効果はときに絶大なものです。
資産家の方々はこうした今と未来の法務リスクの総点検をお勧めしています。

 

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